日本におけるIB

すべての児童生徒が、世界にもたらせる何かとてもすばらしいものをもっています。国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、それを見つけて育てるための力を教師にもたらします。児童生徒には生涯のための教育が必要です。ひとつのキャリアではなく、多数のキャリアのため、ひとつの文化ではなく、すべての文化のための教育です。

IBは2013年5月以来、日本政府と密接に連携して、二か国語のIBディプロマプログラム(DLDP:dual language IB Diploma Programme)を開発してきました。大学に進学するため、また生涯にわたる機会をつかむための、ワールドクラスの備えを実現するプログラムです。このプロジェクトにより、ディプロマプログラム(DP:Diploma Programme)の次の科目とコアの要素を日本語で指導し評価できるようになっています。

  • 「個人と社会」:「歴史」「地理」「経済」
  • 「理科」:「生物」「化学」「物理」
  • 「数学」:「数学:解析とアプローチ」「数学:応用と解釈」
  • 「芸術」:「美術」「音楽」
  • 「コア」:「知の理論」(TOK:Theory of knowledge)、「課題論文」(EE:Extended essay)、「創造性・活動・奉仕」(CAS:Creativity, Activity, Service)

日本語によるDPの初の外部評価は、2016年11月に実施されました。IBと文部科学省の協働の結果として、日本におけるIBの教育は拡大を続けています。日本の学校では現在、DLDPだけでなく、初等教育プログラム(PYP:Primary Years Programme)、中等教育プログラム(MYP:Middle Years Programme)、DPが提供されています。

文部科学省とIBは引き続き協力して、日本におけるIBの教育のメリットを訴求しています。


日本におけるIBの教育とその価値

IBの進歩的な4つの教育プログラムは、バランス感覚に優れ、複数の言語に対する自信があり、成功するためのスキルをもった人間を育成することで高い定評を有しています。

IBのプログラムを評価・分析する試みはしばしば行われています。IBのプログラムが児童生徒にどのような影響を及ぼしているか、児童生徒がどのような結果を出しているかを測定し、改善することを目的としたリサーチです。 最近の研究では、PYPの「エキシビション」が批判的思考スキルを発達させるうえで中枢的な体験になっていることが示されました。また、MYPは、生徒がDPで力を発揮するうえで最も有効な準備であり、DPは、最高峰の大学に進学するうえで最も有効な教育となっています。さらに、キャリア関連プログラム(CP:Career-related Programme)の卒業生の大多数は、大学に進学しています。


IBのプログラム


Primary Years Programme

PYPは、3歳から12歳までの児童生徒を対象としています。能動的に行動し、思いやりをもち、生涯学んでいく人を育てます。自分を大切にし、他の人に敬意を示し、そして周囲の世界に参加する能力をもてるよう、児童生徒を導いていきます。PYPでは、ひとりの人間としての発達を重視しています。

Middle Years Program

MYPは、11歳から16歳までの児童生徒を対象とし、創造的思考、批判的思考(クリティカルシンキング)、内省的思考を身につけるような学習の枠組みを提供します。MYPでは知的な課題を重視し、学習内容と実社会の間に実践的な結びつきをつくるよう生徒に働きかけます。

Diploma Programme

DPは、16歳から19歳までの生徒を対象とし、幅広さと奥深さの両面で優れた知識をもち、身体的・知的・感情的・倫理的に豊かな生涯を歩んでいくことのできる生徒を育てることを目指しています。日本と世界各地の著名大学が、このプログラムを高く評価しています。

Career-related Programme

CPは、16歳から19歳までの生徒を対象とした国際的な教育の枠組みで、実業界に焦点をあてた教育に対する生徒のニーズに対応しながら、IBの価値観を組み込んで実現している独特なプログラムです。このプログラムは、その後の高等教育のほか、職業訓練や雇用につながります。

IBを選ぶ理由



「教員間の協働体制が深まりました。評価や学際的な単元の実施などについて、教科内および教科間で話し合わざるをえない機会が格段に増えました。」

荻野勉先生、東京学芸大学附属国際中等教育学校 校長


「当校の教育理念であるグローバルな人材を育成するということが実践的にできるようになったと思います。また受け身ではなく、能動的に動く生徒が増えたのではないかと思います。」

石田真理子先生、仙台育英学園高等学校 IBDP教務主任


「DPの授業はディスカッションがメインで、生徒一人ひとりが意見を言えます。受け身の授業ではなく自分たちが参加することができる授業が好きだったので、DPを選びました。」

大和田怜那さん、東京学芸大学附属国際中等教育学校 生徒


「今まで気付いていなかった科目同士の共通点を見いだせるようになり、それぞれの科目での学びを前よりも一般化できるようになりました。」

黒川周亮さん、茗溪学園 IBDPコース生徒




日本にあるIB DPのコミュニティーの体験談


「本校の生徒が海外にさまざまな研修で出ていく、あるいは海外大学に出ていくということに加えて、海外からの留学生を受け入れて、校内全体でグローバリゼーションを達成していくことが重要だと思いました。」

加藤聖一先生、仙台育英学園高等学校 常務理事


「DPの魅力は生徒と先生の両方を変える点です。DPでの学習を通して将来について閃く生徒も多くいます。」

松崎秀彰先生、茗溪学園 DPコーディネーター


「DPの魅力はバランスのとれた人間に生徒が成長していくことです。一年半の中でみるみるうちに成長していく生徒を見るのが一番楽しみなことです。」

小松万姫先生、東京学芸大学附属国際中等教育学校 DPコーディネーター


「従来の日本の教育と一番違っている点は、生涯に渡って学び続ける姿勢を教えるという点です。」

加藤隆寛先生、仙台育英学園高等学校 教員


IBについてのリサーチ

IBのグローバルリサーチ部門は、世界各地の大学や独立研究機関と協力して、IBが提供している4つのプログラムの影響と成果を検証しています。これらのリサーチでは、児童生徒、学校と体系的な成果、プログラムの実施状況、プログラムの基準と整合性などの領域を探究しています。

調査研究の詳細な要約、レポート全文、または現在進行中のプロジェクトを見るには、フォームに入力して全リソースのパッケージをダウンロードしてください。


このリソースでは、PYPが学校の環境に及ぼしている影響やPYPの学校で学ぶ児童の健全性をはじめ、PYPに関する最近の調査研究の概要を紹介しています。


このリソースでは、MYPを通じて養われるスキル、プログラムがもたらす学問以外の成果、MYPの生徒の学習到達度をはじめ、リサーチの主な結果を紹介しています。


このリソースでは、TOK、EE、CASで構成される、DPの「コア」に関する最近の調査研究の主な結果を紹介しています。


IBの教育についての詳細

 

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